不登校中の生徒に合った勉強方法とは?選択肢ごとのメリットデメリットを知ろう

公開日:2023/01/23  

不登校の子どもが一向に勉強に取りかかろうとしないと心配になるのは、親としては当然の気持ちです。とはいえ、つらい思いをしている子どもに寄り添うべきか発破をかけるべきか、難しい選択に頭を悩ませている人は少なくないでしょう。ここでは、不登校の子どもが勉強しない理由や必要なサポート、勉強方法の選択肢を解説します。

不登校の子どもが勉強しない理由

不登校の子どもが勉強しないのには理由があります。今抱えている問題や不安を取り除くためにも、まずは勉強しない理由について理解を進めるのがよいでしょう。

心が疲弊している

これまで学校に行こうとがんばってきた結果、心身が限界を迎えた表れとして不登校に陥ることが少なくありません。そのため、不登校の子どもは、朝起きる・夜に寝るといった、これまでできていた生活ができなくなることがあります。

日常生活の維持が難しいほど疲れきっている状態のため、心身ともに勉強できるだけのエネルギーや余裕はほとんどありません。

勉強する意味を見失っている

勉強する意味が分からないという状態は、不登校でなくともよくあることです。とくに疲れている状態では、意味や目的が見出せないことに打ち込むのがさらに難しく、勉強に向かう気持ちがなかなかわかなくなります。

勉強への遅れに対する不安がある

勉強への遅れが不安だから勉強しないという姿勢は、一見矛盾しているようにも見えるかもしれません。勉強が遅れることに不安を感じるのであれば、勉強すればよいと考える人も少なくないでしょう。

勉強が遅れることで、周囲と勉強の進み具合に差がつきますが、差を埋めるための方法が分からないことが勉強から気持ちを遠ざける原因となるケースが多く見られます。

不登校の子どもに対してするべき親のサポート

不登校の子どもはエネルギー切れを起こしている子が多く、勉強に対する焦りを抱えている子もいます。保護者の立場としては、まず子どもが勉強に取りかかれない状態であることを踏まえて、子どもの状態に寄り添ったサポートを展開することが必要です。

休ませる

不登校の子どもは心身ともに疲れきっているケースが多く、状況を打破するための行動に移れない状態です。次のステージに進むためにも、何よりもまず休養を大切に考えましょう。とくに、不登校になり始めのタイミングは疲弊しきった状態と考え、子どもが自ら動けるだけの気力・体力の回復を待つことが大切です。

干渉を抑え、自発的な行動を見守る

子どもが学校に行けなくなれば、心配するのは親として当然です。心配のあまり、つい子どもの生活態度に口を出しすぎてしまうこともあるかもしれません。

しかし、不登校の場合は、心配や不安な気持ちに蓋をして過干渉にならないことが大切です。子どもが自ら動き出せるようになるタイミングをじっと見守りましょう。また、不登校の期間は勉強に目が行きがちですが、勉強以外に打ち込めることがあれば挑戦を見守ることも大切です。

環境の整備

子ども本人が勉強できる状況になったときに行動に移せる環境を整えておくのも、親の役割の1つです。本人がある程度行動できるようになったら、まずは就寝時間・起床時間を決めて生活リズムを整える手助けをするとよいでしょう。

生活リズムを整えておけば、本人が勉強したくなったときに勉強時間のスケジューリングがしやすくなります。勉強に前向きな姿勢が見られるようになったら、勉強に使う場所を整頓したり、必要な道具を揃えたりと、いつでも勉強を始められる準備を手伝うのがおすすめです。

また、親自身が資格や趣味などの勉強をしている場合、学ぶ姿を見せることで、学ぶ楽しさや面白さを伝えるのもよいでしょう。

不登校中の生徒に合った勉強方法

不登校の場合、勉強の方法についても自分たちで考える必要があります。反対に考えれば、不登校の間は子ども本人の状態・状況に合わせた勉強方法を選んでよいということです。これは、学校に通っている期間には実現できないことだととらえるとよいでしょう。

ここでは、不登校の子どもの勉強方法と、それぞれのメリットとデメリットを紹介します。

家庭でできる勉強方法

家庭でできる勉強方法には、家庭学習・通信教育・家庭教師などがあります。

家庭学習の場合、人に会うのが苦痛な子でも取り組みやすく、費用がかからないのがメリットです。ただし、教材を自分たちでそろえたり、親が勉強を教えたりと、労力がかかります。

通信教育も、人に会わずに学習可能な方法です。カリキュラムや教材が用意されており、体系立てた学習ができるのもメリットの1つとなっています。一方で、一人で学習を進めるか親が進捗を確認するかしなければ、継続が難しい方法でもあります。

家庭教師にお願いする場合は、カリキュラム・教材・指導をすべて外注できますが、人に会わなければならないため、本人の状態次第では利用が難しい方法です。

塾で勉強する方法

塾には集団指導と個別指導の2種類があります。同年代の中で勉強したい場合は集団、大勢の中に入るのがつらければ個別と使い分けることで、無理なく勉強に取り組みやすくなります。

プロによる指導が受けられるうえ、外出のきっかけにもなりますが、家庭教師と同様、外出や人と会うことに対する抵抗感がある場合は本人の負担が大きくなるため、あまりおすすめできません。

学校と連携できる施設での勉強

民間のフリースクール・公的機関の教育支援センターなど、学校と連携できる施設に通って勉強する方法もあります。勉強以外にもカウンセリングやさまざまな活動を体験でき、学校と連携できれば通所日を出席扱いとできるのが特徴です。学校や家庭の外に居場所が作れるのもメリットとなります。

ただし、フリースクールは費用がかかるうえ、数が少なくスクール探しに難点があります。教育支援センターは費用がかからないものの、登校を目指す前提で指導が行われることも多く、子どもにプレッシャーがかかりかねません。子どもの状態や希望を見極めて活用を検討しましょう。

コーチング

学習コーチから勉強のサポートを受ける方法です。子ども一人ひとりに合わせたカリキュラムの作成と、日々の進捗確認で子どもの学びをサポートします。塾や家庭教師ほど密着した指導はないものの、サポートを受けられる頻度が高くなるため、ほかの勉強方法と併用するのもおすすめです。

まとめ

子どもが不登校になって不安なのは親だけではありません。当の子ども本人も焦りや不安を抱えています。しかし、焦りや不安とは裏腹に、本人は疲れきっていて勉強どころではないことがほとんどです。

いずれは勉強に取り組ませたいと考えている場合も、焦って急かすよりも、子どもの様子を見守りながら必要に応じてサポートを行いましょう。机に向かわせるのは、子どもが勉強できる状態になってからで構いません。

勉強の遅れを取り戻す方法はたくさんあります。勉強方法を選ぶ際も、焦って結果を追い求めるのではなく、本人の不安を取り除ける方法を選ぶことを考えましょう。

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